外国人材を受け入れる際に、適切な「管理団体(技能実習生)」や「登録支援機関(特定技能)」を選ぶことは、円滑な受け入れと定着のために非常に重要です。 信頼できる機関を選ばないと、トラブルが発生しやすくなり、外国人材の離職や業務への影響が出るリスクがあります。
以下、管理団体・登録支援機関を選ぶ際の重要なポイントを解説します。
1. 法令遵守と許認可の確認
✅ 正式な許認可を取得しているか
- 管理団体(技能実習):法務省・出入国在留管理庁から許可を受けているか確認(一般監理団体 or 優良監理団体)。
- 登録支援機関(特定技能):出入国在留管理庁の登録リストに掲載されているか。
- 過去に許可取り消しや違反歴がないか調べる(OTITや出入国在留管理庁の公表情報を確認)。
✅ コンプライアンス意識が高いか
- 労働基準法や最低賃金法を遵守しているか。
- 不正行為(虚偽書類作成・不当な賃金控除など)をしていないか。
- 外国人材に違法な借金を背負わせていないか(送り出し機関との関係をチェック)。
2. 実績と評判
✅ 過去の受け入れ実績
- 過去にどの業種で何人の外国人材を支援した実績があるか(介護・製造・建設など)。
- どの国からの受け入れが得意か(ベトナム、フィリピン、インドネシアなど)。
- 受け入れ企業の評判を確認(他社の口コミや事例をチェック)。
✅ 外国人材の定着率
- 過去の離職率(定着率が低い場合、サポート不足の可能性)。
- 技能実習生の場合、3年間修了率が高いか(途中帰国が多い機関は要注意)。
- 特定技能の場合、1年以上働き続ける人が多いか。
✅ 外国人材と企業の満足度
- 外国人材が「サポートが手厚い」と感じているか。
- 受け入れ企業が「スムーズな対応だった」と評価しているか。
3. サポート体制(外国人と企業の支援)
✅ 外国人材へのサポート
- 日本語学習支援(教材提供・オンライン講座・対面レッスンなど)。
- 生活支援(住居探し、銀行口座開設、ゴミ出しルールの説明など)。
- 相談窓口の設置(困った時に相談できる日本語・母国語対応の窓口)。
- 職場定着支援(仕事の悩み相談、メンター制度の導入など)。
✅ 受け入れ企業へのサポート
- 受け入れ前の事前説明(外国人材の特徴、文化的違い、教育方法など)。
- 労務管理サポート(給与・社会保険手続き、労働条件の適正化支援)。
- トラブル対応(企業と外国人材の間のミスコミュニケーション調整)。
✅ 定期的なフォローアップがあるか
- 技能実習の場合、監査や巡回指導が適切に行われているか(年1回以上の訪問)。
- 特定技能の場合、定期的な面談が行われているか(毎月 or 3か月ごと)。
- 企業と外国人の双方にヒアリングを行い、改善提案ができるか。
4. 費用の透明性
✅ 適正な料金設定か
- 管理費・サポート費用の内訳が明確か(不明瞭な料金は要注意)。
- 企業側の支払い費用が、他の管理団体・支援機関と比較して適正か。
- 相場より極端に安い or 高い場合は注意(安すぎるとサポート不足、高すぎると搾取の可能性)。
✅ 外国人材への不当な負担がないか
- 送出し機関との関係を確認(外国人が不当な借金をしていないか)。
- 「保証金」や「違約金」など、違法な金銭要求がないか。
5. マッチングの精度
✅ 外国人材の適性をしっかり見極められるか
- 企業の求めるスキルに合った人材を紹介できるか(経験・日本語レベル)。
- 面接時に適性検査や職務理解テストを行っているか。
- ミスマッチが少ないか(受け入れ後すぐに辞めるケースが少ないか)。
✅ 採用プロセスがスムーズか
- 企業が面接を実施できるか(オンライン面接・現地面接など)。
- 受け入れまでのスケジュールが明確か(書類作成・ビザ申請の遅延がないか)。
- ビザ取得のサポートが充実しているか(不備が多い機関はNG)。
6. 不適切な管理団体・登録支援機関の特徴(要注意ポイント)
☑ 許可・登録がない or 過去に取り消し歴がある
☑ 技能実習・特定技能の基準を満たさない人材を送り込んでいる
☑ 受け入れ企業へのサポートが不十分(フォローアップがない)
☑ 外国人材から違法な費用を徴収している(高額な手数料・保証金など)
☑ 日本語教育や生活サポートが形だけで、実際には機能していない
☑ トラブルが発生した際の対応が遅い or 企業と外国人の間で放置する
☑ 費用の内訳が不透明で、過剰な請求がある
まとめ:管理団体・登録支援機関を選ぶ際のチェックポイント
📌 政府認可があり、過去の実績がしっかりしているか?
📌 外国人材と企業へのサポート体制が充実しているか?
📌 費用の内訳が透明で、不当な請求がないか?
📌 外国人材の定着率が高く、適切なマッチングができるか?
📌 トラブル時の対応が迅速かつ的確か?
適切な管理団体・登録支援機関を選ぶことで、外国人材がスムーズに職場になじみ、企業にとっても安定した人材確保につながります。複数の機関を比較し、実績・サポート体制・費用の透明性を慎重にチェックすることが重要です。
参考
技能実習における監理団体の役割について
特定技能介護における登録支援機関の役割について